TRPGジャンクション

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【イベント】 トーキョーN◎VA 『Cafe & Bar “J◎KER" Triggered』

先週末に遊びに行って来た、N◎VAカフェのレポート。
書かないつもりだったのに、結局、書いてしまった。
今回のN◎VAカフェは、事前にキャスト登録した参加者にハンドアウトが配られるという趣向で、オレのキャスト、スプーキーに与えられたハンドアウトは、「ブルーベリーのシークレット・ライブをレポートしろ」ってもの。
ってなワケで、スプーキー視点のレポートです。
まぁ、普段はタフ&クールなスプーキーさんが、感情の制御チェックに失敗しまくった顛末記ということでw

 

 ■■■ side Tokyo N◎VA : “paparazzi” SPOOKY ■■■

オレがそのBarを訪れるのは、これで二度目だ。
『Cafe & Bar “J◎KER"』
一年に一度だけ開店するといわれる、幻の店。
ストリートではN◎VAカフェと呼ばてるらしい。
オレが前回訪れたのは単なる偶然だったが、今回はきっちりとした目的がある。
今日、この店で、あの“Blueberry”がシークレット・ライブをおこなうらしい。
そいつをエクスポーズするのが、今回のオレのbizってワケだ。


地下に至る階段の先にあるドアをくぐると、そこでは前回と同じく“占い爺”が受付をしていた。
クリッドクリスを提示しキャッシュを換金し、二言三言話して店内に入る。
無数の客で溢れかえる店内。オレはドアの横に陣取ってあたりを観察する。
あいも変わらずメジャーなゲストたちが給仕をする中、カウンターでシェイカーを振るターゲットを見つけた。
いつもと同じ胸の開いた紫のドレスが、長く青い髪と絶妙なコントラストを醸し出し、彼女の美しさを引き立てる。
いや、それだけではない。
今日の彼女はいつもより柔和で、それとは別に一種独特の緊張感を漂わせてる。
事前に、彼女は喉を壊しているらしいという情報を仕入れていたが、それが関係しているようだ。
しばら彼女を観察していると、オレの視線に気づいたのか、彼女の方から近寄ってきた。
おい、よせ。ヤメロ!
そんな優しい表情で話かけて、オレのbizを台無しにする気か?
オレはあくまでパパラッチだ。
アンタのヤバイ部分、弱い部分を暴き立てて金を頂く。
そんな汚い商売だ。
今日だって、アンタのライブが失敗したってエクスポーズしに来たんだ。
アンタに情が移ったら、そんな記事書けやしねぇ。
結局、オレは彼女の真っ直ぐな瞳に見据えられてビビっちまった。
写真の一枚も撮れず、際どい質問もできず、ただ視線を外してありきたりな受け答えをしてただけだった。
いや、別にあの美しい胸の谷間を眺めてたわけじゃないぜ?
ああ、確かに眺めていたが、アレはオレがファインダーに収めたなかで最も美しいものの一つだが、でもできるなら、あの強い光を放つ瞳の方を見つめたかった……

あ、まぁ、そんなオレの心情はどうでもいい。
その後、ライブまでの大半の時間を彼女を観察するのに使った。
店の中は、過去人やら死人やらが入り乱れて大騒ぎだったが、オレには彼女以外は関係なかったからな。
そりゃ、手慰みに何人かの情報収集を手伝ってやったりはした。
その過程で、彼女と話す機会がもう一度あったのだが、クール気取って煙に巻くのが精々だったな。
まったく、
「アンタが脱ぐなら何枚でも撮ってやる」
とか、
「どうせ脱がせるなら、スタジオよりベッドの上だな」
とかの、いつもならスラスラ出てくるハズの軽口が、今日に限っては一言も出やしねぇ。
ハイスクールのチェリーみたいに、ガチガチに固まっちまった。
オレが変だって?
いや、変なのは彼女だ。
たかがシークレット・ライブ。
なぜ、あそこまで気合が入っている?
近くで見た時の彼女は、メイクの上からでも青ざめてるわかった。
おそらく、立っているのもツライはずだ。
普通なら、中止にしても問題ないだろう。
たかだか50人規模の、小さなライブ。
彼女の経歴に傷なんか付くはずもない。
それでも、彼女はこのライブに賭けている。何かを。
オレはいつの間にか、その何かを見届けたくなっていた。
らしくないだろ?
そう、らしくない。
だが、そう思っちまったのは仕方ない。
オレは固唾をのんで、ライブが始まるのを待った。

案の定、彼女の喉の調子は壊滅的に悪かった。
高音域での伸びが悪く、声質にもいつもの艶がない。
それでも彼女は、懸命に歌っていた。
それに呼応するように、観客たちのボルテージも上がっていく。
誰も声なんて気にしていない。
いや違う。
みんな彼女の声を聴きに来ているんじゃない。
彼女の魂を聴きに来ているんだ。
だから、彼女の魂の輝きを全身浴びて、こんなにも幸福そうなのだろう。

次のステージでまた会おうと観客たちに告げ、彼女はバックステージに退場した。
おそらく、あの声の様子では次のステージはムリだろし、歌わせるべきではない。
彼女の歌は、こんなところで潰れるのは惜しいし、潰していいものでもない。
そんなことを考えながら書いたレポートは、とても読むに耐えないものだった。
主観的で感傷的な、過剰な持ち上げ記事。
これがキャッシュに変わるとは、到底思えなしい。
致し方なく、もう一度書きなおす。
bizモードで、パパラッチとして。
しかし、今度はそのレポートをエクスポーズする気が起きない。
そりゃそうだ。いつの間にかオレは、キャッシュよりも彼女のステージの方が大事に思えてきていたからだ。
考えあぐねた結果、両方を彼女のに見せて選ばせようという、とてもガキっぽい考えに至った。
彼女に選ばせたら、叩き記事なんて選ぶはずはない。
そうすりゃキャッシュはパーになるが……
その代わり、彼女の微笑みぐらいは撮らせてもらえるだろう。
今日はそれで良しとするさ。
なにに?
まぁ、メンツとプライドと……コレ以上はヤメとくか。

しかし、彼女は引っ込んだっきり現れず、ステージは中止になった。
ゴーストステップ(火星人だったか?)が、ブルーベリーが襲われてステージが中止になったとアナウンスしたが、冗談もほどほどにしろって。
こんだけの手だれが揃っていて、彼女一人守れないなんてことがあるハズはない。
アイツらは、自分たちの銘に傷をつけてでも、彼女を守ろうとしているのだ。
つまり、事態は深刻。
取り敢えずオレは店を抜け出し、近くのヤオヨロズへ。
何を買ったかって?
大したもんない。多分、気休め程度にもならない差し入れさ。

その後のことは、まぁ、どうでもいいし、あまり話したくもない。
結局、どっちのレポートを上げるかは自分で決める他なくなり、オレはトーキーのペルソナを外した。
差し入れを託した暴走警官には、含み笑いで誂われたが、それはヤツのカワイイ尻に免じて許しておいてやろう。
オレが退場する頃合いに、ブルーベリーはカウンターに戻ってきた。
声は過擦れてたが、強がれるほどには元気そうだった。
まったく、タフな女だ。
少し話したい気もしたが、今夜のオレはチェリーらしい。
ボロがでない内に早々と退散したさ。

最後に、“嗤う死神”という名のカクテルを奢ってくれた少年が、自分は死んでいるので、もうこの世には帰ってこれないと呟いていた。
そんなことはない。と答えてやった。
気休めかって?
いいや、そうじゃない。
だって、彼もブルーベリーの二度目のステージを観てないだろ?
つまりは、そういうことさ。

 

■■■ XYZ ■■■

 

あ、そうそう。
当日、店内にあったAV◎N(掲示板)に、
「シェイカーに振り回されてる風なレイに萌える人、挙手」
って書いてあるメモを貼ってみたんだけど、挙手した人が一人しかいなくて少しガッカリだったな。
せっかくなんで、みんなもっと悪乗りしてもいいんじゃない?
どのゲストがカワイイとか、カッコイイとか貼ったり、サインをねだってみたりとかも面白いと思うよ。
と、いうワケで、次回はもっともっと面白くなることを期待して……

XYZ

 

元記事:2013・05・28